田舎おやじの言動log

田舎で暮らすおっさんの言動を適当にロギング。

IME

 ふと、昔はIME何使ってたかな…となったので、思い出しながら書いてみる。

 

 IMEというかワープロソフトの原初は中学生の頃持ってたMSX2機標準搭載のものだと思う。うろ覚えだがパナソニックA-1Fには漢字ROMがあったから、FDやMSX DOSと組み合わせて本当にワープロ的にも使えたはずだ。もっとも肝心のプリンターが無かったので、ちょっと文章を打ち込んですぐ飽きたんだと思う。

 

 もうちょっとまともに文章を打つことをやってみたのは高校生になってからだった。当時両親が田舎の学習塾を営んでおり、手作り教材作りのためにワープロコピー機を持っていたので、それをちょいちょい触らせてもらった。ワープロはシャープ製だっただろうか。まぁやった事と言えばゲームのアイテム一覧表とかヒントとかまとめるくらいでぬるいものだったが。他にMSX2からPC-8801VA2をよく使うようになっており、これ付属のPC-EngineというDOSっぽいOSにNEC純正のIMEが付いていたはずだ。ただ相変わらずプリンターが無いのでゲーム以外ほとんど使わなかった。今にして思えばもったいない使い方だった。

 ちなみにここまで簡単なプログラミングをして遊んではいた。ただ使った言語がBASICとアセンブラで、ソースの容量制限も厳しくコメントを入れる文化はなかった。いわゆる8ビット時代に日本語なんてまとも使えなかった気がする。

 

 大学生になった頃からはPC-9801に乗り換えたこともあり、DOS環境下でいよいよ本格的に文章を打つようになった。情報学部だったし、ソフトウェア系サークルに所属していたので、自然とPC上のテキストで何かを残す習慣がついたのかもしれない。当然最初は吊るしのNECAI.SYSだった。変換効率とか気にするほどの文章量を打たなかったので不満も無かった。

 

 転機は大学2年の頃、プリンターをいよいよ手に入れた時だ。キャノンのBJシリーズで、持ち運びできるサイズで実にありがたかった。ここからはもう何でもかんでもPCでやるようになってきた。パソコン通信を始めたのも日本語入力の機会を増やす一因だったし、とある科目でOHP資料を作る必要があったのも大きな理由だ。

 初めてIMEを変えたのもこの頃だった。エーアイソフトのワープロソフトが激安だったので、パチンコで懐が暖かかった時気まぐれで購入したのだ。付属のIMEWXだった。こいつは以降、なかなかのお気に入りとなった。当時一太郎と合わせてATOKが圧倒的に有名だったが、金のない大学生がおいそれと買えるものではなかったし、いかにコピーに鷹揚だったとはいえ、無理にタダで手に入れて使うのも気が引けた。あとメモリ容量はATOKが喰う方だったのも大きな理由の一つだった。仲間内で無駄にコンベンショナルメモリを空ける遊びが流行っており、つまり周りで誰も使っていなかったのだ。

 その後卒論を書くにあたっても仲間内で一太郎ATOKを使う奴はいなかった。私も結局DOS/V機に乗り換えエディターをWordに変えた都合で、当時爆発的に普及したWindows95吊るしのMS-IMEを使うようになった。

 

 ただこのMS-IMEはなんかもう、どうしようも無いくらいアホ変換だった。アルゴリズムについての卒論でさほど日本語として難しい文章、単語が無いはずなのに、とにかく最初の変換候補が精度悪すぎてイライラさせられたものだ。これまで使ってきたDOS版のIME達がいかに洗練されたものだったか再認識させられた。感心したのは割と珍しい自分の名字が一発で変換できたことくらいだった。ユーザー登録の都合からか、人名だけは妙に力が入っていた気がする。

 ここからATOKに乗り換えるまでは私的IME暗黒期といえる。一時エーアイソフトのエディターソフト(確かBOON)を買ってまでWindows版WXをを使ったりもした。しかし98SEの頃にはすっかり廃れてしまった。会社のPC、仕事で使う個人PCに迂闊なものを入れられない問題もあり、数年間は渋々アホで重いMS-IMEを使っていたはずだ。たまにツールが98DOS版しかない業務の時にATOK入り98ノートを使う機会があったが、ファイラーと合わせてこちらの環境の快適さは馬鹿にできなかったものだ。

 

 再び大きな転機が訪れたのは2000年代初期、WindowsXPが出回り始めた頃だ。当時ほぼ単独外注のような勤務形態で、会社内でデスクトップPCを触る時間が激減、代わりに海外出張を含め現場でノートPCが手放せなくなった。やむを得ず個人でXPのノートPCを買ったのだが、もう変な遠慮は要らないということでついにATOKを購入したのだ。そしていつまでも物覚えの悪いMS-IMEの呪縛から解放され。これ以降ATOK信者になってしまった。

 そのハマりぶりは結構なものだと我ながら思う。手持ちのPCは全部ATOKで染め上げた。当時おもちゃ代わりにDebianを触っていたのでLinuxATOKも買ったし、PDAにはCE版ATOKも入れた。転職した今の会社が一太郎を使っていたのもATOK偏愛に拍車を掛けた。会社公認で使えるなんて素晴らしすぎる。

 

 というわけで現在もIMEは可能な限りATOKだ。さすがにLinuxはもう使えないが、スマホは当然導入済みだし、ATOK PassportATOK Syncにも加入した。ソースネクストに買収された頃からCMメールがうざいが、それを差し引いてもATOK無しは考えられない。

 

 で、なんで急にATOK愛をぶちまけたかというと、先ほどExcelIMEが勝手にMS-IMEに戻っていたからだ。なんかもうOSアップデート、Officeアップデートの度に、Edgeと合わせてこの嫌がらせを仕掛けてくるが、己の実力を認めていい加減諦めて欲しい。いきなり片言の日本語変換になれば気づかないわけが無いではないか。