田舎おやじの言動log

田舎で暮らすおっさんの言動を適当にロギング。

離職率と実情

遅れに遅れた製品リリース後処理をなんとか終えて退社しようとしたところ、会社の通用口で泣いて帰る若手営業社員と出くわした。9月末で退職することになったのだという。

その時疲れとあまりに衝撃的な内容でうまく声をかけてあげることができなかったのが本当に心残りになってしまった。普通の退職なら最終日に顔を合わせて言葉を交わす機会もあるが、あの様子では多分今生の別れになるだろう。

その若手営業社員とは初夏の展示会を一緒に回した縁があり、そのときの明るくテキパキした様子からすごく有望な社員だなと感じていた。飲みの場で多少相性が良くない上司の話は出たものの、こんなに追い詰められてしまう雰囲気は全く無かった。逆に言えば入社2年目の新米がたった3ヶ月で泣いて辞めることになるほど、うちの会社に問題があるという証か。

日本企業の平均離職率はおよそ30%と言われているが、うちは一応それ以下の数字となっている。それがブラックではないと反論する数少ない拠り所になっているのだが、実は新卒にかぎってはほぼ100%だったりする。そこは正社員の平均年齢にダイレクトに現れているが、パートさんを含めた数字で必死にごまかしているのが本当のところだ。

こうしてみると職場環境が相当にひどい会社に見えるが、実は中途採用離職率、それも勤続年数が長くなるほど高くはない。私を含め半数以上の社員は中途で、これのおかげで離職率はギリギリ30%以下となっている。つまるところ新卒採用と入社後の対応に問題があるということで、もっと言えばこれらに関わる人事担当と、それを野放しにする社長に問題がある。

2年ほど前、辞めてしまう件の社員の内定式に私も賑やかしで出席したが、社長と人事担当はいつものごとくベタ褒めだったことをよく覚えている。要は自分が見つけた新人は凄いだろというアピールなのだが、その凄い新人が初期教育を終えて人事担当の目の届くところに配属されると態度が一変する。こんなことも出来ないなんていままで一体何を学んできたのか、教える側は何をやっていたのか云々。社長のところにことあるごとに駆け込んで騒ぎ立てるのだ。すると社長はそれを真に受けて直接指導を入れてしまう。あとはもう地獄絵図で、最終的には教育係とセットで退職コースだ。自分も過去に何度かキツい圧を受けたし、社員が辞めるときは暗にお前が原因だみたいなことも言われた。あんな目に遭えば真面目な奴ほど自責で潰れるし、他責な奴はさっさと逃げる。

ちなみに中途採用者はそんなに辞めていないと言ったが、厳密には今会社に残っている中途採用者は、先代社長時代に入社した者がほとんどだ。つまり今の社長と人事担当の成果は無いどころかマイナスかもしれない。

自分がなぜ普通なら直接関わりの無い人事担当について酷く愚痴っているかというと、先日のリリース案件でそいつに酷い目に遭わされているからだ。あれこれ自分からやるやると手を挙げるくせに、忙しくなってくると人事の仕事を理由に投げ出してしまう。とっとと投げてくれればまだキズは浅いのに、一々忙しいアピール、休日働いているアピールを社長にして納期直前で騒いでくれたのでタチが悪い。グダグダと直前に何度も納期変更し、しまいには仕様を縮小してのお茶濁しリリースとなった。トドメにリリース当日、色々な承認が必要なタイミングにも関わらず、採用活動打ち合わせとかでうちの上司と社長をたっぷり2時間拘束してくれた。そしてその翌日に冒頭の出来事である。やってらんない。

もし辞めてしまう社員にもう一度声をかけられるなら、君の選択は正しかったと伝えたい。今は不本意かもしれないが、こんな頭のおかしいのがのさばる会社に未来なんてあるわけないよ、後であのときの判断は良かったと心底思うよ、と。とっととうちのことは忘れ、精一杯幸せになって見返してくれることを願う。